フランス大領領選、ベーシックインカムを唱えるアモン氏が左翼連合の統一候補となる

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先日、ベーシックインカムの話をしたばかりですが、1月30日付けのニューズウェーク日本版で、フランス大領領選挙における左派連合の統一候補の決戦投票で、ベーシックインカム制度の導入を訴えている前教育相ブノワ・アモン氏が選ばれたというニュースがありました。

ベーシックインカムは国民全員に無条件で生活費を支給するというものですが、アモン氏が唱えているベーシックインカムは、18歳以上の国民全員に毎月750ユーロ(約9万円)を支給するというもので、おそらく当面の財源的問題を解消するため18歳未満は対象外としたと思われます。

ベーシックインカムの導入で期待されることのひとつに少子化の解消があります。生まれたばかりの子供にも1人分の生活費が支給されると、子育て世帯に経済的な余裕ができるため出生率の向上が期待できると言われています。

近年、先進国の出生率が軒並み低下している中で、フランスは出生率が上がっています。フランスは「女性の就業率が上がると出生率が下がる、女性が仕事と子育てを両立するのは難しい」とかなり早い段階から把握しており、1997年の労働省の報告書にまとめられています。フランスの子育て支援は、経済的な支援だけではなく子育てを労働とみなして支援する制度もあるそうです。例えば子育てに必要なオムツやタオル、シーツ類は保育園から支給され、子どもの汚れものも保育園が洗濯する、これがフランスの子育ての普通なのだそうです。とりあえず少子化対策は効果が出ているのと、子供に対する支援よりも親への支援を優先しているため18歳未満の子供へのベーシックインカムを見送ったのだと思います。

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毎月750ユーロ(約9万円)というのは日本とは物価が違うので、私もこのあたりは多いのか少ないのかよくわかりません。ちなみにフランスの2015年度の失業率は10.38%、日本の2015年度の失業率は3.37%、高い失業率の背景には相応の失業保険や生活保護などの社会保障費が発生していることになります。

またベーシックインカムの導入は行政のスリム化を前提とされてます。社会保障を一本化、単純化することにより、関連する公務員や行政機関、公益法人なの人件費や建物などの資産、運営費などを削減し財源とします。フランスは人口1000人あたりの公務員数の割合が高いのも特徴、ついでに人件費についても調べてみましたが、おそらく数字の扱い方なのでしょうがネット検索で出てくる数字はピンからキリまであって今のところ何とも言えません。ただ人数が多い分だけ全体の人件費も多いのではと思われます。

ベーシックインカム導入の最大抵抗勢力は官僚も含めた公務員と言われています。フランスは人口比率で日本の倍となる公務員を抱えています。どのような結果になるのかとても気になるところです。いくつかの先進国ではベーシックインカムに向けた本格的な議論や実験がはじまりました。日本でも早く検討もらいたいところなのですが、いまだ組織的に天下り斡旋なんかやっているくらいですし、そんな官僚組織を作り上げてしまった責任があると思える政党が力を握っているうちは期待できそうもありません。と言って今の野党勢力も期待には程遠いです。おそらく日本は中から変えることは不可能、黒船来航のように外部から影響を受けないと何も変わらないと思います。

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