ベーシックインカムを理解するには労働に対する価値観の大転換が必要

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最近注目しているベーシックインカム、長い人類の歴史で始めて経験する少子高齢化時代の社会保障について、色んな人の意見を聞けば聞くほどベーシックインカムが最適ではないかと思っています。しかし納得できるまでにはかなりの時間を要しました。一番のネックになったのは「労働」に対する価値観、本当の意味で「働かなくても良い、働かないほうが良い」という事はなかなか納得できませんでした。

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ベーシックインカムは今までの常識が全てひっくり返る

1.高失業率は生産性が高く豊かな証拠、必要以上の労働は社会悪

機械やコンピュータによる自動化が進み、人間は働かないほうが儲かる仕事も増えています。例えば機械が月160時間の稼働で300万円稼げる仕事を、人間が160時間働いて100万円しか稼げないとしたら、それは売上機会損失です。極端な話、人間は無理に働かず機械に稼がせたほうが効率良く豊かになれるという事です。しかも機械なら24時間フル稼働も可能です。経済全体の効率を考ると失業率が高いことは悪い事なりません。「働かない=社会人失格、社会悪」という考えは転換する必要があります。「働かなくても良い、(無理に)働かないほうが良い」ということにアレルギーを持つ人は多いと思います。

2.富裕層にまで無条件に配ることで最大限の財源確保ができる

これは「無条件」がポイントです。財源は社会保障費なのですが「無条件」とすることで役所仕事を省くことができます。極端な話、厚生労働省を廃止する事で予算全てを財源にすることができます。ちなみに厚労省の予算は一般会計と特別会計あわせて約100兆円あります。うち医療費が約40兆円と言われていますので残り60兆円すべてを財源にするためには、国民の財産や収入をチェックし分配を裁量したり不正をチェックする公務員や管轄する官僚や役人の人件費を含めた行政コストを省く必要があります。つまり「無条件」にすることで裁量する公務員や役人が不要となり財源を最大限確保できます。ちなみにひと昔前のアメリカで、低所得者層の支援制度の充実を謳って予算を増やしきめ細かく行ったところ、裁量コストが予算を上回ってしまい逆に支給額が減ったという失敗がありました。膨大な裁量コストをかけて効果が薄いのであれば、多少ザルでも最大限バラ撒いたほうが効率が良いという考え方です。所得や財力に応じて平等を目指すのは対象者が多いほどコスト増になります。財源の多くが行政コストに消えてしまうのは本末転倒です。

3.「働かざる者、食うべからず」から「働かざる者、一生懸命遊ぶべし」

反対派は「遊んでばかりで働かなくなる」と主張しています。しかし遊びにも消費は発生する事になり経済が回ります。もっと遊びたければ働けば良いことです。ちなみにオランダのユトレヒト市の実験では、該当者300名のうち仕事を辞めた人はいないそうです。カナダのマニトバ州の実験でも問題視するほど働かなくなった人はいませんでした。失業者限定で始まったフィンランドの実験では起業する人が出ているそうです。「遊び人=怠け者」は古い考えです。

4.ベーシックインカムで所得格差が広がるのは良いこと

一部の実業家やIT関係者の意見として、国から失業対策を押し付けられず雇いたい人だけ雇えるようになれば、事業が一層やりやすくなって経済全体も発展すると主張しています。言い方は良くないかもしれませんが、稼げない人は無理に働かないほうが社会や経済のためには良い、その分の負担はしても良い、かえって事業が発展して分配も増やせるよということです。当然所得格差は広がりますが、高所得者がBIを引っ張り上げますので働けない者が無理に働かなくなる事で経済発展し、回りまわってBI支給額が増えることになります。これもすぐにピンと来ないのではないでしょうか。

「働かなくても良い」「働かないほうが良い」という価値観はすぐには理解できないかもしれません