経産省のフリーランス活用案は企業側のメリットばかり

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経済産業省が人手不足の解消策としてフリーランスの活用を検討し始めたそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161117/k10010772481000.html

本当に人手不足解消のためと言っているのならアウトです。人手不足は企業側の都合から見た話しです。少なくとも働く側の都合ではありません。雇用環境の改善を経済産業省に期待することじたい間違いかもしれません。厚生労働省も期待できそうにありませんが。

このブログでもネットで起業しようという記事を書いてますが、私が言うフリーランスと今回経済産業省が検討をはじめたフリーランスとは根本的な違いがあります。個人で仕事を受けるのは基本的に同じなんですが、大きく違うのは「誰」から仕事を受けるかという部分です。

企業との関係が雇用契約から業務契約に変わっただけなら最低限の社会保障もなくなることになります。それに見合う単価で仕事を出してくれるなら問題ないですがそうなるとは思えません。しかも何の保証もないですから仕事が無いときは無職、失業中と同じです。

私はフリーランスとして独立するために必要なのは自分の顧客となるファンをたくさん作ること、信用を得ることが大切だと考えています。消費者であるエンドユーザーと直接取引ができる関係を築き、ひとりでも多く抱える事です。自分で仕事を作ったり価格の交渉もできる得意先をたくさん持つことです。その中に企業があっても良いのですが、大きく依存しないことです。大口取引先はメリットも多いですが、失ったときのダメージも大きいです。

人手不足という話も聞きますが、一方で企業側と求職者側のミスマッチもよく耳にします。企業側は仕事量の変動を考えて最低限に抑えた雇用条件を設定しているはずです。求職者側は少しでも良い雇用条件を望むのは当然、そこに大きな隔たりがあって企業側が望む条件で人材が確保できないのが現状なのでしょう。

その解決策として出たのが今回の「フリーランス活用」だと思います。企業にとって仕事があるときだけフリーランスを活用できるようになると基本的に黒字続きになります社員や契約社員、派遣社員のように一旦雇用契約を結ぶと仕事が無いときでも人件費負担が発生します。それを仕事がある時だけ仕事単位で業務契約するというやり方はどう見ても企業側に有利です。

雇用契約から業務契約へとかわり社会保障費の会社負担が無くなっても残念ながら契約単価が上がるとは思えません。実はもうフリーランスのマーケットがあって、ここの条件を見るとよほど優秀な人でもない限り、最低賃金程度しか稼げそうにないです。例えば文章入力の作業単価は1文字当たり0.2~0.5円。ちなみにこのブログ、ここまで入力した文字数は約1000字、単価0.2円で200円、0.5円でも500円です。記事も考えながら入力してますので1時間はかかっているはず、高いほうの単価でも時給500円にもなっていません。

IT系では増える一方のセキュリティ系の人材不足をよく耳にします。しかし個人情報保護法が絡むセキュリティ系の仕事は基本的に社外へ持ち出せないはずで、しかもどこで仕事しているかわからにようなフリーランスには出せないはずです。必要な時だけ呼び出されて仕事する都合の良い派遣社員のような扱いになると思われ、企業側にとって必要な時だけ仕事してもらって余計な人件費はかからないというとってもおいしい人たちです。

確認はしていませんけど、ドイツではフリーランス保険というのがあるそうです。個人事業主向けの失業保険制度のようですが、詳しい事は不明です。いずれにしても労働者側から見て雇用契約から業務契約に変わるのはデメリットのほうが多くなると思います。もしこの制度がはじまると、真っ先にフリーランスという選択を迫られるのは非正規社員や派遣社員でしょう。もともと経済的に不安定な非正規社員や派遣社員は益々生活が苦しくなると思います。というか失業率も一気に増えるような気がします。

今正社員で働いている人でさえ倒産などで正社員という立場を失うと、かなりの確率でフリーランスという生き方が待っています。そんな事になっても困らないようネットに自分メディアを作って少しでも将来の顧客になってもらえそうなファンをたくさん作っておく事です。