公的な就労支援が雇用に結びつきにくい理由(障害者支援編)

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一般向けの就労支援サービスと同じように障害者向けの就労支援サービスがあります。障害者向けサービスは就労移行支援事業、就労継続支援(A型・B型)と、障害の内容や程度で選択できるよう段階的に分かれています。一般向けサービスとの違いは障害や病気のケアと平行しながら就労支援を実施する点で障害者福祉サービスと言えます。

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就労支援事業こそ労働が経済活動の一部であることを重視するべき

福岡で障がい者就労継続支援事業所を経営する「カムラック」の社長さんがご自身のブログで興味深いことを書いていました。「福祉スタッフが暇なのは健全なことであり、逆に忙しいのは経営危機である」。人手不足と言われる福祉分野で福祉スタッフの仕事が無く暇そうにしているほど良いと経営者自身が口にしており、これはとても面白い視点だなと思いました。

カムラックでは福祉サービス事業を担う福祉スタッフと、ソフトウェア事業を担う業務スタッフに分かれています。福祉スタッフは障害や病気のケアを担当し、業務スタッフは得意先の開拓や仕事の受注、業務スケジュールの管理、メンバーの技術支援、進捗管理、納品やアフターケアなど、まさに一般企業と同じような売上と利益に直結する仕事を担当しています。福祉スタッフが暇な状態とは、メンバー(障害者)がみんな元気で業務スタッフと力をあわせてガンガン稼いでいる状態と言うことです。

ハローワークや求人誌で見かける障がい者の就労支援事業所の求人では、資格保持者など福祉スタッフの募集はよく見かけるのに業務スタッフの募集はほとんど見かけません。多くは福祉資格を持つ福祉スタッフで、その他の条件として基本的なパソコン操作やエクセルやワード及びイラストレーターが使えれば良いという程度、つまり業務スタッフが軽視されています。有資格者の在籍は国から受け取れる報酬や種類も多くなります。しかし報酬には限度があり、同じ資格ならベテランも新人も同額業務量に関係なく定額、例え満額であっても潤沢とは言えないです。むしろ業務スタッフに思う存分稼いでもらったほうが遥かに高収入になる可能性があります。ちなみにカムラックさんのウェブサイトを見ると、メンバー(障害者)と技術スタッフ(業務スタッフ)は常に募集しているようです、と言うかここが事業収入に直結しますからね。

就労支援事業における業務スタッフの条件として、スタッフ自身が自ら稼げる能力や経験の他にスタッフ教育も含めた業務管理能力が必要だと思います。具体的なモデルとして民間企業でプロジェクトやスタッフリーダー以上の経験者ということになります。

医療福祉分野の資格取得を目指すには、受験資格を得るまでに所定の専門教育の修了数年の実務経験など多くの時間を要します。そのため教育課程から卒業後の進路も医療福祉分野一筋となってしまう場合が多く、お金を稼ぐために必要な商品やサービスを作ったり売ったり、ライバル会社との競争やマーケティングなど経済活動で求められるビジネススキルは全く身に着きません生産性や収益性を考えると一般人よりも障害者を雇用するほうがハードルは高くなるはずなのに、ビジネススキルや経済活動の経験値が低い福祉スタッフで何とかしようとするから失敗するのです。経営が厳しい事業所はカムラックの経営を参考すると良いでしょう。

医療福祉関係者であってもビジネスや経済の勉強をするべき、就労支援事業なら尚更必要だとです