パソコンを導入しても仕事が楽にならない理由(2)

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一般の人が機械化とシステム化の違いを意識することや必要性を感じることはあまりないと思います。しかし企業が生産性の向上や業務の効率化のためにシステムを導入する際、機械化とシステム化の違いを意識するかしないかで導入後の結果が大きく違ってきます

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業務システムを見ると経営者や経営陣の考え方がわかります

機械化を簡単に表現すると「処理を行う装置に置き換えること」だと思います。人間が自力のみで実現できる能力には限界があるうえに出来ないこともたくさんあります。例えば人間は自力だけで鳥のように空を飛んで移動することはできません。昔々、鳥の飛ぶ姿を見て空を目指した挑戦者たちは、腕に取り付けた大きな羽根をバタバタと一生懸命動かして鳥の動きを再現しようとしました。つまり鳥の動きを再現する装置の開発を目指しましたが、これは失敗に終わり今でも実現していません

やがて鳥のマネ(鳥の動きを再現する装置)だけでは飛べないことに気付き、空を飛ぶために必要となる空中に浮く力(浮力)と移動する力(推進力)を生み出す新たな仕組み作りがはじまります。そして出来上がった結果が飛行機です。形こそ鳥に似ていますが、空中に浮いて移動する仕組みは鳥が空を飛ぶ動きを再現していません。もっと極端な例としてヘリコプターのような飛び方やそれに近い原理で飛行する生物は存在しません。鳥の動きに拘らず、空中を移動するために最適なことを追求した結果が飛行機でありヘリコプターです。さらに推進力だけで重力に逆らえることができるようになったため、ロケットには浮力を生み出す羽根すらなくなりました。唯一の成功例であった鳥が空を飛ぶ仕組みとは別の新しい仕組みを作り出した結果です。

事務処理においても似たようなことが言えます。例えば本来必要ないことでも手書きや手作業であるために必要となる間接的な作業が、パソコン上でデータ化する際に少し工夫をすることで不要になることがたくさんあります。しかし手作業によって発生していた本来必要としない仕事までパソコンに置き換えている例をよく見かけます。パソコンは人間よりもはるかに処理スピードがありますから、少しのムダが膨大なムダに繋がります。

「パソコンを導入して効率化しよう」という考えは正しくありません。「効率化するためパソコンを導入する」のが正しい考え方、現状の仕事のココを改善したい、仕組みを変えたいという問題意識があるかないかです。昔の人が空を飛ぶ鳥の動きを真似たように、同業他社のマネや周りの企業も導入している程度の意識では残念ながら失敗します。パソコンが何かしてくれるのではなく、パソコンに何をさせたいかが重要です。既存の業務をパソコンに置き換えるだけなら機械化と同じ、システム化したとは言えません。ここが機械化とシステム化の違いです。

(続く)

機械化とシステム化の違いに気付けない残念な経営者たち