不便さを受け入れることで働きやすい社会になると思う

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最近、海外から日本のサービスは異常という意見が見られるようになりました。「おもてなし」という日本独特の文化が称賛される一方で、過剰なサービスであり生産性が低いと見る外国人観光客もいるようです。

私の印象ではバブル崩壊後、日本全体が売り上げの確保や新たな市場開拓のために様々なサービスが始まったように思います。コンビニや外食産業の24時間営業、スーパーや小売店の年中無休営業も当たり前にりました。生き残りを賭けた企業努力・・・と言いたいところですが実際には最前線で働く従業員の頑張りによるところが大きかったと思いますし、しかも派遣社員やパート、アルバイトで働く人件費の低い人達が担っていたと思います。しかしこの労働環境がそろそろターニングポイントになっていると思います。

また、至れり尽くせりのサービスが権利ばかり主張するクレーマーを生み出すことになり、クレーム対策のために想定外のコストが発生したり、生産性の向上や効率化を追求するあまり、結果的にサービス低下を招いて客離れが起こり、売り上げが落ち込み、従業員も居なくなるという悪循環に陥った外食チェーンもありました。

そして昨年の終わり頃には24時間営業があたり前だった外食業界で深夜営業の廃止を検討する企業がでてきました。またスーパーマーケットの中にも年中無休から年末年始休暇を取り入れた企業も出てきました。

現役世代の社会人はサービスを受ける側の消費者である一方、サービスを提供する側の労働者でもあります。社会全体で見れば便利で多様なサービスを受けられるという事は、多様なサービスを提供している労働者がいるという事、つまり表裏一体になっています。

労働生産性の話ではドイツが例に挙げられることが多のですが、最近ドイツ在住の日本人フリーランスやフリーライターのブログから得ている情報では、小売業が土日は営業しないのは当たり前、日本のような残業や長時間労働は異例中の異例に入るようです。24時間365日いつでも欲しいものが手に入るというわけにではないので日本と比べると不便のように思えますが、その分だけ仕事も早く終わり週末も休みで自由に過ごしたり家族で過ごす時間が多くなっています。結果的に少ない労働時間で効率良い仕事が求められるため無駄なサービスはどんどん省かれることになるのですが、消費者でもある立場として不便さを受け入れるのはとくに負担を感じていないようです。

サービス満載で至れり尽くせりの長時間労働にも関わらずワーキングプアになる日本とは逆に、ドイツでは多少の不便を受け入れることで働きやすい労働環境が保たれており、それが結果的に高い生産性に繋がっていると思います。

政府も長時間労働を問題視したり、同一労働同一賃金最低賃金1000円非正規から正規へという政策スローガンを挙げて労働環境の改善に取り組もうとしていますがそう簡単に実現できることではないと思います。ただ仕事がシンプルになれば働きやすくなるのは間違いないことですし、そもそも多様なサービスは主に都市部に集中しているため、意外にも地方から変わってゆく可能性があるような気がしています。

これからは多少の不便さを受け入れる選択肢もありだと思います