ITシステムを活用していない典型例

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毎日新聞の調査によると「ハローワークインターネットサービス」最低賃金未満の求人が多数掲載されていたのが多数見つかったそうです。ワーキングプアが問題視されているにも関わらず監督官庁となる厚生労働省は呑気なものです。

(毎日新聞のWEBサイトより)

 国が運営する就職支援サイト「ハローワークインターネットサービス」で7月以降、時給が最低賃金を下回る求人情報が少なくとも66件掲載されていたことが、厚生労働省への取材で分かった。ハローワークの職員が求人を受理した際、時給の確認が不十分だったためで、厚労省は「チェック体制が甘かった。雇用された人はいな

 厚労省によると、事業者からの求人申し込みは全国544カ所のハローワークで受け付けている。最低賃金法などに照らして問題がなければ、コンピューターシステムに入力し、印刷して再度点検する。問題の66件は45カ所のハローワークで受理したが、こうしたチェックが機能しなかった。

根本的に仕事のやり方が間違っています。「最低賃金法などに照らして問題がなければコンピューターシステムに入力し、印刷して再度点検する」とありますが、言葉をそのまま受け取ると、申し込みを受け付けた時点で(人の目で?)最低賃金法などに照らして確認、コンピューターに入力して紙に印刷したものを(人の目で?)再度点検していることになります。

人の目による二重チェック体制のようですが、そもそも最低賃金のチェックは単純な数字の比較だけで済みます。このような単純チェックはコンピューター上で簡単にできます。コンピューターシステムにチェック機能を入れて最低賃金未満の情報は登録できないようにするだけで済むことです。わざわざ人手と紙を使ってチェックする方法に何の疑問を持たずに業務を行っていることが信じられません。

職員が求人を受理した際、時給の確認が不十分だった

再び言葉をそのまま受け取ると、時給の確認が不十分だった→職員のミスだったと解釈できます。職員が見逃したことは事実かもしれませんが、データのチェックを人為的に行っているのであれば何のためにコンピューターシステムを導入しているのでしょうか。これは業務効率化するためのシステム化ではなく、予算を消費するためのシステム化と言えます。

今後、時給が最低賃金を下回っていないかを自動チェックするシステムの導入も検討するという。

私は元々SE出身、システム設計をする立場だった人間として、今回問題となったコンピューターシステムには時給のチェック機能ぐらい入っているはずだと思います。にもかかわらず機能しなかったのは、マスタの不備(最低賃金データの未登録や更新されず古いままだった)でチェックが機能しなかったか、そもそもチェック機能が搭載されていることを知らなかったのだと思います。すでにチェック機能があることに気付かないままもうひとつのチェック機能を入れた場合処理の流れが2通りできることによってデータのすり抜けが発生する可能性があります。どんなに高価で高性能なコンピューターシステムも、データを入力して印刷するワープロ程度にしか使えません。まさに「豚に真珠」「猫に小判(税金)」「宝の持ち腐れ」です。

厚労省職業安定局は「今後は一層、厳しくチェックするよう指導する」としている。

現場の職員を増員するのか、現場の職員にさらなる負担を強いるのか、いずれにしても最低賃金がいくらになろうと関係ない人たち、まったく他人事なのでしょう。問題は自分たちの能力不足であることを自覚できない人たちが権限を持っていることにあります。コンピューターシステムを有効活用するだけで問題解決して現場の負担も軽減できます。「厳しくチェックするよう指導する」必要はなくアリバイワークも甚だしいです。